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我が国は,高齢者の7人に1人は認知症である時代を迎えています。この様な時代であるからこそ,早期の診断及び適切な治療とケアが重要とされています。また,予防に関する取組みについて様々な情報が氾濫する今日,認知症を必要以上に恐れず,認知症とどう向き合っていくかを考える必要があります。今回は,本学医学部附属病院認知症疾患医療センターの専門医が,認知症の診断や治療・予防について,参加者の皆さんに正しく理解してもらうことを目的に開催しました。
はじめに,本院の檜垣實男病院長から開会の挨拶があり,続いて4人の講師による講演が行われました。
第1部では,本院精神科の森崇明講師から「歳のせい?認知症?〜診断と初期の治療〜」のテーマで,早期の診断や治療の重要性について,分かりやすく説明がありました。続いて,薬物療法・神経内科の西川典子准教授から「レヴィー小体型認知症〜リアルな幻視とパーキンソンニズム〜」の事例紹介があり,脳神経外科の田川雅彦助教からは「手術でよくなる認知症について」をテーマに,これまでの実績に基づいた事例が紹介され,参加者は熱心に聞き入っていました。最後に,老年神経内科の小原克彦特任教授から「アルツハイマー病の予防戦略について」の講演が行われ,参加者は正しい予防法について学びました。
また,第2部では,精神科の上野修一教授と認知疾患医療センタ−の谷向知副センター長がコーディネーターを努め,講演者4人がパネリストとなって,参加者からの質問や疑問にお答えするQ&Aコーナーを設けました。質問の中には,家族に治療を勧める場合の対処方法や初期診断及び検査費用に関する質問の他,薬や予防に向けた取組み方など,具体的かつ身近な内容が多く寄せられ,各パネリストの解説を聞く参加者の中には,説明を聞き逃さないよう熱心にメモをとる姿が多く見られました。
今回のヘルスアカデミーには,定員250人を超える多数の申込みがあり,最終的に300人を超える方々に参加いただき,認知症に対する関心の高さがうかがえる講演会となりました。
本院では,今後も皆さんの関心の高いテーマを取り上げ,様々な事例や対応策等を紹介していきたいと考えています。