当院について

院長あいさつ

 愛媛大学は昭和48年に医学部を設置し、3年後の昭和51年10月に医学部附属病院(愛大病院)を開院しました。15診療科、320床でスタートした愛大病院は、これまでの約40年間、一貫して「患者から学び、患者に還元する病院」を基本理念に愛媛県における中核病院として、地域に根ざした医療を実践してまいりました。現在では24診療科、42の中央診療施設、病床数644と大きく発展し、500名を越える医師、約700名の看護師、その他の職員を合わせ総勢2000名弱の病院スタッフが万全の体制で、懸命に医療と取り組んでいます。

 

 愛大病院は①愛媛県民から信頼され愛される病院、②患者さんの立場に立てる医療人の養成、③愛媛で育ち、世界に羽ばたく医療の創造を目標としています。私はあえて“患者様”ではなく“患者さん”という言葉を使っています。その理由は、病気を治すために医師と患者さんが同一の目線に立って、一致協力して病気に立ち向かっていきたいからです。私たちは最高の医療を患者さんにお届けしますが、よりよい治療効果を得るには患者さんの治療に対する意欲と協力、そしてご家族の理解が不可欠なのです。

 第一の目標である県民から信頼され愛される病院であるためには、最新、最高の医療だけではなく、安全安心な医療を提供しなければなりません。そのために私たち医療スタッフは日々研鑽に励み医療技術の向上と共に、インシデントの報告と情報共有、医療事故防止対策の徹底、適切な医療事故への対応、医療安全教育・研修、医療安全管理マニュアルの作成など、患者中心の安全な医療を実践するための組織的な取り組みを行っています。

 第二の目標である患者さんの立場に立てる医療人の育成に関しては、学部教育から卒後教育まで特色のあるカリキュラムを通じ、単なる医学的知識や技術の習得にとどまらず、豊かな人間性と深い洞察力を備えた医療人の輩出を目指しています。この目標の延長線上にある患者サービス向上の切り札として、愛大病院は平成26年に総合診療サポートセンターを設置しました。このセンターは国内で初めて導入された組織であり、快適な入院を提供するだけではなく、退院後の生活を見据えて、患者さんに合わせた入退院計画を立てています。すなわち、単に治療を施すだけでなく、病院を患者さんの生活の場として機能させるために他多職種が連携して、質の高い医療を提供しており、全国的にも高い評価を受けています。

 研究の推進も大学病院の大きな使命の一つですが、第三の目標である愛媛で育ち、世界に羽ばたく医療の創造のために、先端医療創生センターを中心として様々な分野での橋渡し研究を推進しており、世界レベルの新しい医療の創造を目指しています。臨床研究の質の向上のためにも臨床研究支援センター、臨床研究データセンター、臨床研究クオリティマネージメント部を新しく設置し、臨床研究体制の充実をはかっています。

 これらの目標に加え、南海トラフ地震などの大規模災害に対応することも我々の使命です。ここ30年間に巨大地震が発生する可能性は70%程度と推定されており、私たち医療施設はその際にいかに強力な医療活動を行えるかが問われています。定期的な大規模災害訓練の実施やキャンパス内に医薬品や医療器機の備蓄倉庫を設置するなど、震災時における医療活動の拠点となるべく可能な限りの医療支援体制を整備しています。

 このように愛媛大学医学部附属病院は患者さんの幸福を目指し、かつ地域社会に貢献すべく、たゆまぬ努力と進化を続けていきたいと考えています。


                                  愛媛大学医学部附属病院長 三 浦 裕 正