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市民公開講座「移植医療の今とこれから」を開催しました【2月3日(日)】

市民公開講座「移植医療の今とこれから」を開催しました【2月3日(日)】

 平成31年2月3日(日),愛媛大学南加記念ホールにて,愛媛大学医学部附属病院に新たに設置した臓器・組織移植センターの開設を記念した市民公開講座「移植医療の今とこれから ~していますか?いのちをつなぐ意思表示~」を開催しました。

 臓器の移植に関する法律が改正され,平成22年7月には,本人の意思が不明な場合でも,家族の同意により臓器提供が可能となっており,脳死下における臓器提供が増加し,臓器移植への理解・関心が広がりつつありますが,本人の意思が不明な場合,難しい判断を迫られることが多くあります。このイベントは,臓器移植の現状と未来について知っていただき,大切なひとのために自ら考え,意思表示することの意味を理解してもらうきっかけにすることを目的に開催したものです。

 当日は,当院の医師・看護師の他,愛媛県臓器移植支援センターの篠原嘉一氏を講師にお招きし,愛媛県における臓器移植の現状や本院における移植医療の実績などの講演を行いました。はじめに,当院臓器・組織移植センター長の高田泰次教授から挨拶があり,移植医療は保険適用の医療であり,この公開講座をきっかけに,一般的な治療の選択肢のひとつとして捉えてもらえればとの話がありました。続いて,臓器移植コーディネーターを務める篠原氏による講演では,移植医療とは,提供者(ドナー)がいてはじめて成り立つ医療である点や,臓器を提供したい人の想いと,それを待つ人の願いがもっと出会うために,それぞれが臓器提供について考え,自身の意思を表示することが大切であると述べました。また,当院で移植者(レシピエント)コーディネーターを務める坂本ゆり看護師長から,移植を待つ患者さんに寄り添ってきたこれまでの経験から,移植者の複雑な心境やその家族などの想いが紹介されました。移植後に移植者から臓器提供者の家族に送られたサンクスレターには、「家族と一緒に当たり前のように過ごしている時間,日々は,ドナーさんとそのご家族が私たちにくださった奇跡です。」と感謝の気持ちが綴れており,坂本師長により読み上げられるいのちのリレーに,参加者は聴き入っていました。

 続いて,当院の医師らが,腎移植,肝移植,角膜・羊膜移植の現状等を解説しました。泌尿器科の野田輝乙助教から,腎移植の手術や術後の生活など,実際の医療現場でよくある質問への回答を交えながら説明がありました。また,肝臓・胆のう・膵臓・移植外科の小川晃平准教授から,日本での脳死と生体肝移植症例数の推移や日本とアメリカの比較,成人における主な適応疾患について解説がありました。最後に,眼科の坂根由梨助教から,角膜の機能や構造といった基礎的な知識の説明があり,角膜のどの部分に病気があるかで角膜移植の術式も変わってくるとの話がありました。また,羊膜のもつ機能を活用した羊膜移植について触れ,合併症も少なく比較的安全に行える手術であるとの説明がありました。

 本院は,移植医療についての様々な情報を発信し,「臓器を提供する意思」「臓器を提供しない意思」について考える機会を設けるよう,今後も継続して講演会等を実施していくこととしています。

  • 高田センター長による挨拶

  • 坂本師長による講演

  • 篠原氏による講演