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附属病院が第25回腫瘍センター講演会を開催しました

2013年09月20日

平成25年9月20日(金),和歌山県立医科大学内科学第三講座の山本信之教授を講師に迎え,「がん化学療法における標準的制吐療法について」を開催しました。

 まず初めに,附属病院腫瘍センターの濟川聡美薬剤師,中内香菜看護師による,抗がん剤暴露予防の啓発を目的として「抗癌剤取り扱いと職業曝露防止への取り組み−それぞれの立場からー」と題した基調講演がありました。引き続き,山本教授が「がん化学療法における標準的制吐療法について」と題した特別講演を行いました。
 抗がん剤により生じる悪心・嘔吐は,治療後に生じる急性期の副作用です。近年の5HT3受容体拮抗薬,NK1受容体拮抗薬の開発によって,患者さんにとって辛いこの副作用は,ある程度制御が可能となってきました。山本教授は,制吐薬の進展の歴史と,この2剤にステロイド剤を加えた3剤併用療法の重要性並びにそれぞれの薬剤の特性を解説しました。更に,自身のグループが主導して行った,抗制吐薬の有効性を検証する臨床試験の解説があり,臨床現場で如何に疑問点を抽出し,臨床試験を通じてエビデンスを創設することの重要性について語りました。
 講演会には県内から多数の医療従事者が出席し,活発な意見交換がありました。今回もがん診療に携わる医療者にとって貴重な体験・講演会となりました。
 次回の第26回講演会は,11月1日(金)に開催を予定しています。