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重信地区人権侵害防止講演会を開催しました。【平成28年2月24日(水)】

2016年03月03日

平成28年2月24日(水),医学部創立40周年記念講堂で,重信地区人権侵害防止講演会を開催し,教職員約140人が参加しました。

 この講演会は,医学部・附属病院を擁する重信地区で,人権侵害防止のために平成24年度から毎年行っているものです。4回目となる今回は,「人権問題を危機管理の視点から考える~ハラスメント事例が生じたら~」と題し,昨年度と同じく,国立大学法人等で人事労務問題のコンサルティング業務に携わっている,株式会社フォーブレーン代表取締役の稲好智子(いなよし ともこ)氏を講師に招き,開催しました。
 稲好講師からは,いくつかの具体的な事例をもとに,どこがどういったハラスメントに該当するのか,加害者・被害者・大学・周囲の人への影響は何があるのか,どうすればハラスメントの芽を摘めるのかについて話しました。
 講演の中で,ハラスメントは,価値観,常識観念の異なる者同士が向き合ったとき,有利な立場にある者が,自分の価値観,常識観念に,相手を強引に引き寄せようとするときに起こることが多いと話しがありました。ハラスメントを予防するためには,相手が自分と同じように考えている・思っている・感じているとは限らないこと,そもそも相手は「違う」存在であることを常に念頭に置いて,それぞれが許容できる範囲を広げること。具体的には,「あたかも自分が被害者であるかのような勝手なストーリーを作らない・自分の中の正しさにこだわらない・叱る必要があるときも,好き嫌いをストレートにぶつけず,事実ベースで叱るよう理性のコントロールをする」ことなどがハラスメントの予防になるというお話がありました。
 稲好講師からは,ハラスメントを予防するためとして,ヤマアラシ・ジレンマの例から,人間関係も相手によって「針の長さ(痛いと感じる距離)」が違う中で,それぞれの距離感を保って付き合うことが求められているということ,また,人間の心理として,「好意の返報性(好意を受けた人は,その相手に好意を返したり,自然と友好的な振る舞いをしてしまうという性質の心理)」があるというアドバイスがありました。
 講演会終了後のアンケートでは,上司の立場の者だけではなく,職員全員が聞くべき話だ,自分がハラスメントの影の加害者とならないよう,日頃から周囲の状況をよく見なければならない,といった意見があり,ハラスメント問題や日頃の自己点検とコミュニケーションの在り方などを見直す良い機会となりました。