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第60回ヘルスアカデミーを開催しました【9月9日(日)】

2018年09月20日

平成30年9月9日(日)、いよてつ高島屋ローズホールにて第60回ヘルスアカデミー「認知症をおそれない!~予防について考える~」を開催し、約200人が参加されました。

 今、最もなりたくない病気は?と尋ねると、「認知症」と答えられる方が多く、認知症を特集した番組や本など情報があふれています。今回は、認知症対策として普段から心がけておきたいこと、認知症になっても困らないために知っておくことなど、現状と最新の予防法について4人の専門家が講演を行いました。
 まず、抗加齢・予防医療センターの伊賀瀬道也センター長から、認知症や認知症の前駆状態である軽度認知障害と、毛細血管のゴースト化には、関係があるのではないかという報告が紹介されました。
 続いて、耳鼻咽喉科の寺岡正人助教から、加齢性等によって難聴が進行すると、コミュニケーションに消極的になり、聴覚活用が低下し、それに伴って脳の活動性も低下し、認知症につながるといった考え方があると説明がありました。
 また、精神科の清水秀明特任講師から、平成9年から行っている伊予市中山町での認知症の実態調査について紹介があり、認知症は、糖尿病や高血圧、脂質異常症等の生活習慣と密接に関係しているため、予防には食事や運動等の生活習慣の改善が重要との説明がありました。
 最後に、医学部附属看護実践教育研究サポートセンターの谷向センター長から、2012年時点の疫学調査では、全国で462万人の認知症患者がいることが分かり、5年間で85万人が認知症になると言われていることについて説明があり、認知症予防においては、認知症にならないことだけに気をつけるのではなく、認知症を理解し、実際になったときに感じる不安を取り除くことも大切であると説明がありました。
 講演後には、谷向センター長と老年・神経・総合診療内科の大八木保政教授がコーディネーターを務め、寺岡助教と清水特任講師がパネリストとなり、Q&Aコーナーを設けました。参加者から「高齢の両親が二人で暮しているが、どのようなタイミングで介護認定を受ければよいのか。」「家族は補聴器を勧めるが、本人が納得しない場合どうすればよいのか。」など、多くの質問がありました。
 当院では、今後も市民の皆様の関心の高いテーマを取り上げた市民公開講座を開催してまいります。

谷向教授の講演
谷向教授の講演
質疑応答の様子
質疑応答の様子