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平成30年度防災研修会を開催しました【11月21日(水)】

2018年11月22日

平成30年11月21日(水)、愛媛大学医学部附属病院で防災研修会を開催し、東温市自主防災組織等から45人が参加しました。

 今回の研修会は、西日本豪雨災害における活動・被災体験について知り・災害発生時における市民としての行動について考えるとともに、避難所トリアージについて学び、避難所での生活環境について考えることを目的に実施しました。

 始めに、当院の久保幸看護部長から、今回の研修会が学びの多い場となるよう期待している旨の挨拶があった後、被災地となった宇和島市吉田町に住む家族をもつ看護師から、実際に被災地で見て・体験して・感じたこと等についての話がありました。その中で、災害は、これまでに築きあげてきた財産を一瞬で瓦礫と化す恐ろしいものであり、ライフラインの復旧の目途が立たないことによる精神的な苦痛も想像をはるかに超えるものだったと述べました。しかし、発災後数日のうちに駆けつけてくれた仙台市水道局の方による支援や、泥水に浸かってしまった畳などの搬出に手を貸してくれた吉田高校の生徒の活動に勇気づけられたとの話もありました。

 次に、避難所トリアージと避難所生活の運営に関するグループワークが行われ、避難所を設置した際に必要な機能や役割分担などを話し合いました。その後、次々と避難所を訪れる被災者をどのように振り分ければ、避難所生活が円滑に運営できるかを考えました。様々な程度の怪我や体調不良を訴える被災者や、日本語を話すことができない外国人及びペット連れの被災者などが避難所を訪れたと仮定し、グループで話し合いながらトリアージを実施しました。講師を担当した当院の看護師から、すべての被災者の要望を叶えることは難しいため、当該避難所でのルールを決めそれを守ることで円滑な運営に繋がったり、情報を共有することで、少しでも多くの被災者に手を差し伸べることが可能になったりするとアドバイスがありました。

 最後に、当院の坪内旬子副看護部長から、実際に被災した現場では、数多くの避難所が設置され、それぞれで運営することが求められるため、今回の研修で学んだことをきっかけに防災意識を更に高め、有事の際には研修生のみなさんが避難所の運営をより円滑に行ってもらうことを期待していると閉会の挨拶がありました。

 当院は、東温市民や行政機関等と連携を密にし、災害拠点病院としての役割を果たすべく、体制強化を進めていくこととしています。

講義の様子
講義の様子
グループワークの様子
グループワークの様子