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第1回心臓移植に関する講演会を開催しました

2020年11月05日

令和2年11月4日(水)、医学部創立40周年記念講堂において第1回心臓移植に関する講演会を開催しました。

心臓移植が必要な重症心不全患者は、人工心臓装着後、5年程度の待機期間を経て移植が行われています。人口1,000万人を有する中国・四国地方においては心臓移植実施施設が無く、多くの重症心不全患者の治療が近畿や九州の拠点病院で行われています。これらの背景を受け、当院は平成26年に植込型補助人工心臓実施施設に認定され、地域の重症心不全治療の中核施設としてこれまで15名の植込型補助人工心臓(VAD)装着を行い、移植待機患者として外来管理(VAD外来)を行っています。さらに、そのうちの2名は実施施設での心臓移植に到達しました。今後は、補助人工心臓にとどまらず、心臓移植の実施体制整備も望まれています。

講演会では、まず大学院医学系研究科循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座の山口修教授が「我が国における心不全の現状」と題して心不全の総論について講演を行いました。続いて、心臓移植実施施設において重症心不全・移植専攻医育成プログラムを修了した附属病院第二内科の三好徹医員が「心移植後の管理について」と題して、移植医療の現場での経験を交えて専門的な見地から講演を行いました。最後に、大学院医学系研究科心臓血管・呼吸器外科学講座の泉谷裕則教授が「補助人工心臓・心臓移植治療について」と題し、国内における心臓移植医療の現状や、当院における今後の展望について講演を行いました。

講演会には、医師、看護師、臨床工学技士等の医療職員や学生も含め100名程度が参加し、真剣に聴き入っていました。

講演会の様子