内科・外科以外の診療科
Clinical department except internal medicine, the surgery
産婦人科
当科では周産期、内分泌、思春期障害、婦人科腫瘍、更年期障害などあらゆる分野の問題に対応しています。
診療科紹介
周産期における胎内診断及び胎児治療:
超音波パルスドップラー法、パワードップラー法を用いた胎児循環評価や胎児異常に対するMRI検査、3D超音波検査を導入し、胎児の異常や奇形の診断精度向上に努めています。また臍帯穿刺による胎児採血や胎児輸血などの胎内治療も行っています。妊娠初期・中期のスクリーニング検査にも対応しています。
→NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)はこちら
合併症妊娠の治療:
内分泌代謝異常合併妊娠(糖尿病、甲状腺機能障害など)、悪性腫瘍合併妊娠(子宮頸癌、卵巣癌など)、血液疾患合併妊娠(突発性血小板減少性紫斑病・白血病など)、循環異常妊婦(高血圧合併、心奇形など)などの管理をそれぞれの疾患の専門医と小児科との連携のもとに行っています。特に妊娠糖尿病等の場合、ICTを用いた血糖管理(インスリン療法)も行っています。
→妊娠と薬外来はこちら
婦人科悪性腫瘍治療:
各婦人科がんの「治療ガイドライン」を遵守した標準治療はもちろんのこと、治験・臨床試験を積極的に実施することで、従来の標準治療よりも少しでも良い可能性のある最新の治療法を提供します。
子宮頸癌Ⅰb1期に対し、一定の条件を満たせば子宮の頸部のみを摘出し、体部を温存する広汎性子宮頸部摘出術を行なっています。また早期子宮頸癌に対してはレーザー治療や超音波メスを用いた円錐切除などの縮小手術を行い、患者のQOLの向上や妊孕性温存を目指しています。
内視鏡手術:
腹腔鏡下手術として、子宮全摘術、筋腫核出術、卵巣腫瘍摘出術、骨盤内癒着剥離術、子宮内膜症病巣除去術、異所性妊娠に対する手術を行っています。また子宮筋腫や早期の子宮体癌に対し、ロボット手術を導入しています。粘膜下筋腫に対しては子宮鏡を用いた経頸管的切除術や内膜ポリープ切除術を実施しています。子宮脱に対する腹腔鏡下仙骨腟固定術も実施しております。
女性医学:
幼少期における思春期早発症などの治療,初経から性成熟期にかけての諸問題を扱う思春期医学(ホルモン治療など)、性行為感染症や子宮内膜症などの治療,更年期女性における自律神経失調症を含む様々な体や精神の不調に対する治療(ホルモン補充療法・漢方薬治療など),更年期から老年期にかけての子宮脱などの骨盤臓器脱(POP)や尿失禁・過活動性膀胱といった女性下部尿路症状に対する治療などを積極的に行っています。
妊娠糖尿病や高血圧症候群の既往歴のある女性の場合、将来、糖尿病・高血圧等の生活習慣病を発症する可能性が高く、産後も継続してフォローアップします。必要があれば専門内科にバトンタッチします。
高度生殖補助医療:
2020年4月より高度生殖補助医療部門を再開いたしました。一般不妊治療はもとより、難治性不妊症の方に体外受精、顕微授精などの高度生殖医療技術による治療を提供しています。妊娠・不妊治療に関して問題となる合併症をお持ちの方、治療によって生殖機能が障害されうる方などを対象として周産期部門や婦人科部門、また他科とも連携を取り不妊症診療を進めていけることが当院の役割・特徴です。不育症の精査や治療も積極的に行っています。男性側の不妊因子が考えられた場合にも、泌尿器科と共に診察に取り組んでいます。
→生殖医療外来(不妊・不育症外来)はこちら
→がん・生殖医療相談外来はこちら
里帰り出産について
1.妊娠32週までにご実家へ帰省して下さい。帰省直前に妊婦健診を受けて下さい。帰省後、当院を受診するまでの待機期間は必要ありません。
2.発熱・咳などの体調の変化がない事を確認してから当院を受診して下さい。新型コロナウイルスに感染した場合は、発症の翌日より5日間、かつ解熱後24時間以上経過してから、 インフルエンザに感染した場合は、発症の翌日より5日間、かつ解熱後48時間以上経過してから、病院の受診が可能になります。
3. 新型コロナウイルスやインフルエンザ療養期間中に、お腹の張りや性器出血など緊急受診が必要か心配な症状がみられた場合には、当院に一度、電話でご相談いただき、受診の必要性について確認して下さい。受診の際には、必ずマスクを着用の上、受診して下さい。
4.当院では、立ち会い出産はお断りしています。出産時の待機や付き添いは、感染対策を行った上で、1名に限り可能です。産後の面会は、院内統一の面会制限としますので、ご確認下さい。
(2023.5.16更新)
子宮頸がんワクチンの接種について(HPVワクチン)
定期予防接種についての詳細は、お住まいの市町のホームページで必ず事前にご確認ください。
※男性への子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種は行っておりません。
- 接種費用:無料 ただし、進学等の理由により、住民票のある市町以外の医療機関で定期予防接種またはキャッチアップ接種を受けることを希望する場合は、住民票のある市町で事前に手続きが必要です。事前に手続きされていない場合、接種費用は全額自己負担となりますのでご注意ください。また、都道府県によっては助成金額が異なり、差額の自己負担が生じる可能性があります。
- どのワクチンを接種するかは、医師にご相談ください。新規接種希望の方は、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)のどちらかをお選びください。
- 令和5年4月1日からは、9価HPVワクチン(シルガード9)も定期接種の対象として、公費で受けられるようになりました。9価HPVワクチン(シルガード9)の詳細については、厚生労働省のホームベージ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_9-valentHPVvaccine.html)をご覧ください。
- 原則として同じ種類のワクチンを接種することをお勧めしますが、医師と相談のうえ、途中からシルガード9に変更し、残りの接種を完了させることができます。この場合も定期接種の対象となります。また、キャッチアップ接種の対象の方も、途中からシルガード9に変更し、残りの接種を完了させることができます(※)。なお、サーバリックスまたはガーダシルで接種を開始し、定期接種としてシルガード9で接種を完了させる場合は、シルガード9の接種方法にあわせ、1回目と2回目の間隔を1か月以上、2回目と3回目の間隔を3か月以上あけて接種します。
(※)異なる種類のワクチンを接種した場合の効果と安全性についてのデータは限られています。 - 未成年(17歳以下)や高校3年生以下の方は保護者の同伴が必要です。
- 事前に予約して接種日時の確認をしてください。予約は、電話(産婦人科外来 089-960-5572)で承ります。
- 身分証明書((現住所と生年月日が分かるもの)および母子健康手帳、健康保険証を持参してください。
- 予約時間の30分前に受付にお越しください。当院の診察券をお持ちの方は持参ください。順次スタッフからお手続きをご案内します。
- 接種後は30分院内で安静にしていただきます。
- 所要時間は来院時間から約1.5~2時間かかります。お待たせする場合もあります。余裕をもってスケジュールをご調整ください。
HPVワクチンのキャッチアップ接種について
対象者は、平成9年4月2日から平成18年4月1日までに生まれた女性。過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない人
過去の接種歴については、公費・自費による接種のどちらも含みます。なお、平成18年4月2日から平成20年4月1日までに生まれた方は通常の接種対象年齢を超えても、合計3回の接種が終わっていなければキャッチアップ接種の対象となります。
接種可能な期間:令和4年4月1日から令和7年3月31日まで
※全3回接種が基本で、初回および2回目までを他の医療機関で施行した方も受診可能です。接種記録を必ずお持ちください。
人工妊娠中絶薬について
当院では母体保護法指定医によるカウンセリング、手術を行っております。 わが国においても、経口妊娠中絶薬は2023年4月に初めて承認され使用できるようになり当院でも経口妊娠中絶薬処方を行っております。
経口妊娠中絶薬は、日本では厚生労働省の個人輸入規制対象薬物であり、インターネットでの個人輸入は禁止されています。個人での使用は堕胎罪(刑法212条「妊娠中の女子が薬物を用い、またはその他の方法により堕胎したときは1年以下の懲役に処する」)が適用されます。中絶薬による中絶を希望される場合は、中絶薬の使用が許可された母体保護法指定医師のいる医療機関で相談してください。
医療機関を受診せずに個人で海外製経口妊娠中絶薬を使用することは大変危険です。 (厚生労働省のホームページ) https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000205985.html
中絶薬は2つの薬剤、ミフェプリストンとミソプロストールから成ります。それぞれの薬剤の役割は以下の通りです。
〇ミフェプリストン:妊娠維持に必要なプロゲステロンの働きをブロックする薬 〇ミソプロストール:子宮の入り口を開き、子宮収縮(陣痛)をおこす薬
毎週月曜日から金曜日までにカウンセリングを受けていただいた方は、翌週か翌々週の月曜か火曜日に中絶薬の投与となります。スケジュールによっては、内服薬による治療が困難な場合がありますのでご注意ください。
【適応】
妊娠9週0日 以下
【内服方法】
①ミフェプリストン錠200㎎経口投与
②その36~48時間後にミソプロストールバッカル錠800μg口腔内投与する
【使用できない人】
・本剤に対してアレルギーがある
・ポルフィリン症
・ステロイド剤の吸入又は内服している
・出血性疾患
・抗凝固剤を内服している
・抗血小板薬を内服している
・重度の肝機能障害
・重度の貧血(血中ヘモグロビン値7g/dL以下)
・CYP3A誘導剤を内服している
※CYP3A誘導剤:リファンピシン、リファブチン、カルバマゼピン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ、フェノバルビタール、ボセンタン、エファビレンツ、ダブラフェニブ、エトラビリン、ロルラチニブ、プリミドン、ソトラシブ
【中絶成功率】
○1剤目経口投与後… 1.7%
○2剤目投与後
・4時間まで…61.7%
・4~8時間…26.7%
・8~12時間…1.7%
・20~24時間…1.7%
【当院での処置の流れ】
術前・術後の診察を含め、最低4回の来院が必要です。 ※状況次第ではさらに受診していただく必要があります。
1回目:超音波検査、採血、カウンセリング 2回目:外来受診(月曜日か火曜日)し、1剤目投与後、帰宅 3回目:2剤目投与後、入院し、組織(胎嚢)が排出されるまで院内待機 ※手術の必要性について 2剤目投与後6時間を経過しても、胎嚢が排出されない場合、または副作用等で手術を希望された場合はそのタイミングで手術に切り替えます。 手術は当院では吸引法(または掻爬法)での処置となります。 4回目:約1週後に中絶が完了しているか確認のための診察
主な症状
妊婦健診、妊娠中のトラブル 、子宮がん検診、感染症、月経異常、不正性器出血、帯下の異常、外陰掻痒感、外陰部痛、下腹部腫瘤感、下腹部痛、腰痛、排尿障害、子宮下垂感、自律神経失調症状、性交障害、不妊症など
スタッフ紹介
役職 | 氏名 | 専門領域 | 専門医等 |
---|---|---|---|
専攻医 | 市川 瑠里子 | ||
専攻医 | 伊藤 恭 | ||
院生医員 | 井上 唯 | ||
医員 | 今井 統 | ||
非常勤病院医師 | 上田 晃三 | 小児内分泌、漢方治療 |
日本小児科学会小児科専門医・指導医 日本内分泌学会内分泌代謝科(小児科)専門医・指導医 日本東洋医学会漢方専門医・指導医 麻酔科標榜医 日本DMAT隊員・統括DMAT登録者 |
講師 | 宇佐美 知香 | 婦人科悪性腫瘍 |
日本産科婦人科学会(専門医、指導医)、日本婦人科腫瘍学会(婦人科腫瘍専門医)、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)、日本臨床細胞学会(細胞診専門医) |
助教 | 内倉 友香 | 周産期、出生前診断 |
日本産婦人科学会(専門医・指導医)、日本周産期・新生児医学会(母体・胎児専門医)、日本人類遺伝学会(専門医)、日本産婦人科学会(専門医・指導医)、日本周産期・新生児医学会(母体・胎児専門医・指導医)、日本人類遺伝学会(臨床遺伝専門医)、日本女性医学学会(女性ヘルスケア専門医)、日本内分泌学会(専門医) |
教授 | 杉山 隆 | 周産期医学、内分泌・代謝、女性医学 |
日本産科婦人科学会(専門医、指導医)、日本周産期・新生児学会(周産期(母体・胎児)専門医・指導医)、日本内分泌学会(内分泌代謝科指導医・専門医) |
院生医員 | 田口 晴賀 | ||
院生医員 | 中野 志保 | ||
専攻医 | 藤井 貴頌 | ||
教授 | 松原 圭一 | 周産期、内視鏡手術 |
日本産科婦人科学会(専門医・指導医)、日本周産期・新生児医学会(周産期(母体・胎児)専門医・指導医)、日本臨床遺伝学会(専門医・指導医)、日本産科婦人科内視鏡学会(腹腔鏡技術認定医)、日本婦人科腫瘍学会(婦人科腫瘍専門医)、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)、女性医学会認定(女性ヘルスケア専門医)、難病指定医(高PRL血症) |
講師 | 松原 裕子 | 周産期医学、出生前診断 |
日本産婦人科学会(専門医)、日本周産期・新生児医学会 (母体・胎児専門医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本人類遺伝学会(専門医) |
准教授 | 松元 隆 | 婦人科悪性腫瘍 |
日本産科婦人科学会(専門医・指導医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医・指導医)、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)、日本臨床細胞学会(細胞診専門医) |
医員 | 宮上 眸 | ||
助教 | 森本 明美 | 婦人科悪性腫瘍 |
日本産科婦人科学会(専門医)、日本婦人科腫瘍学会(婦人科腫瘍専門医)、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)、日本専門医機構(認定専門医) |
助教 | 安岡 稔晃 | 婦人科悪性腫瘍、腹腔鏡手術、生殖医療 |
日本産科婦人科学会(専門医)、日本がん治療認定医機構(がん治療認定医)、日本産科婦人科内視鏡学会(腹腔鏡技術認定医)、日本婦人科腫瘍学会(専門医)、日本人類遺伝学会(専門医)、日本生殖医学会(専門医) |
助教 | 横山 真紀 | 産婦人科一般 |
日本産婦人科学会(専門医) |
医員 | 吉田 文香 |
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