中央診療施設等
Central medical facilities
てんかんセンター

「てんかん」病態をもつ患者さんとご家族が、『あきらめるをなくす』ことを目指しています。
センター紹介
当センターでは、小児科、精神神経科、脳神経内科、脳神経外科を中心とした複数診療科が連携して高い専門性を維持し、日常生活・社会生活を想定した多職種・諸部門の協力のもとで、小児から高齢者まで切れ目なく、必要なてんかん医療を必要な人に持続的に提供することを目標としています。
「てんかん」は、突発的な発作を特徴とする症候群名で、病因・発作症状・経過は患者さんによって様々です。従来、小児期に多く発症することが知られていましたが、近年は先進諸国において高齢者にも発症率のピークがあることがわかり、発展途上国も含めた世界的な高齢化で、高齢者のてんかん人口は著増しています。
その診断については、突発的な発作前後の脳波を捉えることができれば、確実ですが、これは現実的ではありません。このため、実際には、詳細な病歴聴取、構造上の異常を探索する画像診断、脳の活動を直接記録する脳波検査などを用いて統合的な診断につなげています。これらの一般的な検査で診断が得られない場合、長時間ビデオ脳波同時記録が重要となりますが、これは頭皮上に電極を装着して症状と脳波を長時間記録するもので、得られるデータ量からも、安全確実な実施には入院が必要になります。
愛媛大学医学部附属病院では、これまでも小児科、精神科、脳神経内科、脳神経外科が診療を担当してまいりましたが、多彩な発症年齢・症状を呈する複雑な病態から、正確な診断に基づいて最適な治療を行うため、診療科同士の連携、併発症状に応じた他診療科との協力とともに、日常生活・社会生活を想定した諸部門の協力が欠かせないため、当センターが設置されました。
複数診療科にまたがる診療に関して、連携強化によって効率的で質の高い専門医療の提供を可能とし、各部署連携による円滑な運用とともに、難病・支援申請等の推進と生活支援をサポートすることで、てんかん診療に必要な全ての検査と治療選択肢を有する施設として、全人的医療を提供していきたいと思います。
主な症状
「てんかん」病態を有する、全年齢の患者さんを対象にしています。
ただし、単回の発作自体に対する止痙治療等は緊急性が高く、一般の救急病院でも対応可能と考えられます。通常、治療の基本は、薬物(抗てんかん発作薬)による内科的治療が中心で、止痙が得られないてんかん重積症例を含めて、当センターの専門性が貢献できるものと考えます。
更には、薬物治療で発作コントロールが得られない一部の症例に対しては、外科的治療の適応が検討されますが、複数の検査結果に基づく判断が求められます。
センターの役割
1)「てんかん」患者さんに対して、複数診療科の連携強化によって、質の高い医療を提供していきます。
2)小児から高齢者まで切れ目のない医療を、適切に提供できる体制の構築を目指します。
3)院内外からのご紹介に円滑に対応し、必要な診断と治療を検討・提案していきます。
4)当センターを中心に、県内の病院・医院と円滑に連携することで、地域における診療レベルの向上を図ります。
5)多職種の連携により、薬物療法以外の治療選択肢も検討できるようにします。
6)難病支援の申請等を推進して、日常生活面のサポートに寄与し、教育・就労といった社会活動と治療の両立を促します。
7)患者さんの集約化によって、新規治療の早期導入や臨床試験などの参加を可能として、先端的な治療法の開発を目指します。
スタッフ紹介
役職 | 氏名 | 所属 | 専門医等 |
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センター長・教授 | 國枝 武治 | 脳神経外科学講座 | てんかん学会専門医・指導医
てんかん診療支援コーディネーター |
副センター長・講師 | 元木 崇裕 | 小児科学講座 | てんかん学会専門医・指導医
てんかん診療支援コーディネーター |
准教授 | 越智 雅之 | 脳神経内科・老年医学講座 | |
講師 | 山崎 聖広 | 精神神経科学講座 | |
助教 | 伊藤 裕子 | 臨床薬理学講座 | |
助教 | 城賀本 敏宏 | 小児科学講座 | |
助教 | 中村 和 | 地域医療再生学講座 | |
看護師長 | 本田 晃子 | 1号館8階 | |
臨床検査技師 | 南 ゆうな | 検査部 | |
社会福祉士 | 堀本 涼子 | 総合診療サポートセンター |